システム内存在の不可能性の認識、及び全体性の恣意的生成の可能性について
人は説明の付かないもの、偶発的事象、条理を逸した状況に出会ったとき、それに何らかの意味を見出そうと悪戦苦闘する。例えば、酒タバコなどの不摂生を繰り返す人が長生きする傍ら、規則正しい生活を送るものが病に倒れたりする。交通ルールを守らない人間が無事でいる一方で、ちゃんと守っている人間が不意に交通事故に巻き込まれる。まじめに生きてきた家族が突然天変地異により離散したりする。このような、“よりによってなぜ自分が”という返答不能な問いに対し、意味を与えるものとしてしばし神や宗教が持ち出される。現世で辛い目に合うのは、神が人間を試しているからだとか、前世で悪い行いをしたからだとか。これを神義論的問題という。このように不幸を馴致するための道具として、人は神や宗教を利用してきた。人生に意味を求めようとするのもそのためだ。
さてここからが本題だ。今、目の前に椰子の実が一つ。

…椰子の実。
間違いない。これは椰子の実だ。知らぬ間に部屋に流れ着いた椰子の実一つ。シュールだ。なぜよりによって椰子の実がこんなところに…。
まあ、理由は簡単。自分で買ってきたからだ。一言で言うと衝動買いというやつである。さいたま広しと言えど衝動買いで椰子の実を買って来るヤツなどそうはいまい。しかしよりによってなぜ椰子の実なのか。我ながら訳が分からない。自分のしてしまったことに対する不条理さを前に、“なぜ”なのかを問わずにはいられない。理由を神や前世に求めてみたが、一向に埒が明かない。
そう、分からないものにあえて意味を求めるのはやめよう。ニーチェは、神を持ち出すことにより目の前の現実を無批判に受け入れる人間を弱者と呼んで蔑んだ。今考えるべきはこの椰子の実をどうするかということだけだ。何で椰子の実一つで神義論の話とか持ち出すんだ、アホか。以上壮大なる言い訳終了。
さて、椰子の実だが、確か果実内部にたまった水は飲用になると聞いたことがある。何かのテレビで、椰子の実ジュースはスポーツドリンクの味がすると言っていたような気もするし。早速カチ割ってみることにした。

普通はナタで割るらしいが、そんなもの家にあるはずもなく、代わりにノコギリで挑戦してみる。悪戦苦闘すること5分、何とか穴だけは空けることが出来た。

椰子の実ジュースを器に取り出して、早速試飲してみる。なるほど、確かにスポーツドリンクの味がする。ほんのり甘みがあるようで甘すぎず、労働後の喉の渇きを癒してくれる。
残りのジュースを冷蔵庫にしまった後、今度はこの椰子の実を真っ二つに割ることにする。噂によると内部にはココナッツミルクなるものがあると聞く。それを手に入れなければこのミッションは終わらない。
…悪戦苦闘すること30分。なんという硬さだ!無人島に漂流した人間の辛さを垣間見てしまった。“いったい自分は何をやってるんだ”という問いを必死に振り払いつつ、修行僧のごとく必死に苦行に従事していると、ついにそれは姿を現した。

これが中から抽出したナニカ。

ちょっと不気味だ。これがココナッツミルクなのだろうか?何か違うような気もする。そもそもこれって食べられるかどうかすら怪しいではないか…。
…見なかったことにしよう。すばやくラップをして冷蔵庫の奥深くにしまい込むと、椰子の実の残骸をゴミ箱に叩き込み、すべてを強引に終わらせるのだった。
こんな夢を見た。南国のとある島で、一人、ヤシの木によじ登り必死になってその実に手を伸ばしている自分。しかしそれはいつまでも手の届かないところにあって、決して取ることができないでいた。その様は、しかし本人の必死さとは裏腹に、どことなく滑稽で、馬鹿馬鹿しくもあった。でもきっと人なんて概してそういうものなんだろうなと何となく思った。
さてここからが本題だ。今、目の前に椰子の実が一つ。
…椰子の実。
間違いない。これは椰子の実だ。知らぬ間に部屋に流れ着いた椰子の実一つ。シュールだ。なぜよりによって椰子の実がこんなところに…。
まあ、理由は簡単。自分で買ってきたからだ。一言で言うと衝動買いというやつである。さいたま広しと言えど衝動買いで椰子の実を買って来るヤツなどそうはいまい。しかしよりによってなぜ椰子の実なのか。我ながら訳が分からない。自分のしてしまったことに対する不条理さを前に、“なぜ”なのかを問わずにはいられない。理由を神や前世に求めてみたが、一向に埒が明かない。
そう、分からないものにあえて意味を求めるのはやめよう。ニーチェは、神を持ち出すことにより目の前の現実を無批判に受け入れる人間を弱者と呼んで蔑んだ。今考えるべきはこの椰子の実をどうするかということだけだ。何で椰子の実一つで神義論の話とか持ち出すんだ、アホか。以上壮大なる言い訳終了。
さて、椰子の実だが、確か果実内部にたまった水は飲用になると聞いたことがある。何かのテレビで、椰子の実ジュースはスポーツドリンクの味がすると言っていたような気もするし。早速カチ割ってみることにした。
普通はナタで割るらしいが、そんなもの家にあるはずもなく、代わりにノコギリで挑戦してみる。悪戦苦闘すること5分、何とか穴だけは空けることが出来た。
椰子の実ジュースを器に取り出して、早速試飲してみる。なるほど、確かにスポーツドリンクの味がする。ほんのり甘みがあるようで甘すぎず、労働後の喉の渇きを癒してくれる。
残りのジュースを冷蔵庫にしまった後、今度はこの椰子の実を真っ二つに割ることにする。噂によると内部にはココナッツミルクなるものがあると聞く。それを手に入れなければこのミッションは終わらない。
…悪戦苦闘すること30分。なんという硬さだ!無人島に漂流した人間の辛さを垣間見てしまった。“いったい自分は何をやってるんだ”という問いを必死に振り払いつつ、修行僧のごとく必死に苦行に従事していると、ついにそれは姿を現した。
これが中から抽出したナニカ。
ちょっと不気味だ。これがココナッツミルクなのだろうか?何か違うような気もする。そもそもこれって食べられるかどうかすら怪しいではないか…。
…見なかったことにしよう。すばやくラップをして冷蔵庫の奥深くにしまい込むと、椰子の実の残骸をゴミ箱に叩き込み、すべてを強引に終わらせるのだった。
こんな夢を見た。南国のとある島で、一人、ヤシの木によじ登り必死になってその実に手を伸ばしている自分。しかしそれはいつまでも手の届かないところにあって、決して取ることができないでいた。その様は、しかし本人の必死さとは裏腹に、どことなく滑稽で、馬鹿馬鹿しくもあった。でもきっと人なんて概してそういうものなんだろうなと何となく思った。
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性別:
男性
自己紹介:
★座右の銘
どんな愚行や自傷行為も、面白ければすべてよし
★本ブログのモチーフ
システムの中にいるものは決してシステムそのものを変革することはできない。システムとは、システムの内外を隔てる境界の存在のことであり、変革とは境界の外から内部を指し示す恣意的行為である。
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