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システム内存在の不可能性の認識、及び全体性の恣意的生成の可能性について
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“ヒトとはこういうものである”という予期のもとに書いた、ちょっと切ない三つの話。



例証1 二児の母
ある一家に子供が生まれた。しかし初めての子供だったため、勝手が分からない。母親はまじめな人柄だったのだろう。立派な親になろうとあれこれと手を尽くした。子供の気持ちを理解しよう、この子の気持ちになって考えよう、間違ったことをしたらちゃんと諭そう、等。そんな彼女の思いとは関係なく、子供は泣き、子供は笑い、そして子供は成長した。

二人目を授かった。
育児にある程度慣れたのと、そして何より疲れてしまったため、二人目は結構いいかげんに扱った。そんな彼女の思いとは関係なく、子供は泣き、子供は笑い、そして子供は成長した…。

15年後の現在、彼女は次男と仲が良い。



例証2 善意の募金活動
地域ボランティアの一環として、募金活動をすることになった。その中の一人Aは善意に満ち溢れた男だった。
熱心に活動に勤しむ。通りでは人一倍声を張り上げ、募金してくれた人には感情を込めて礼を言った。一生懸命にやった。がんばって恵まれない人を助けよう、と彼は純朴に考えていた。

集めた金額が一番少なかったのが彼だったことを、本人は知らない。



例証3 プロフェッショナル保育士
成り行きで保育所に勤めることになった男がいた。男の保育士はまだ珍しく、勤務している保育園でも仕事は概ね力仕事である。雑用が忙しく、子供たちとゆっくり話をする時間もあまりない。それにとりわけ、彼にこれといって明確な教育方針があるわけでもなかった。
ただ寄って来る子供たちを抱きかかえ、持ち上げ、振り回し、後は淡々と意味不明の子供の戯言を受け流すだけだった。

せんせーのにがおえ、という課題で描かれた絵の多くは、彼の絵だった。
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まずこれだけは言っておきたい。一番最初にシイタケに肉を詰めた人間は天才であると。なぜか。普通シイタケを調理しようとする場合、せいぜい考えられるのは、煮込むだとか、細かく切り刻んで他の食材と一緒に炒めたりだとか、それぐらいのものじゃないだろうか。一般的に好き嫌いが激しく、クセがあって正直それほど人気があるとは言えないシイタケ。“体に良いから”という、嘘だか本当だか分からない漠然とした理由によって(いや、理由はあるのかもしれないが個人的には知らない)食されることの方が多いに違いない、そんなマイナーな食材シイタケ。それを美味しく、且つ美しく調理するには一体どうすればいいのか。そんな無謀な問いに解決策を与えたのが、他でもない、シイタケに肉を詰める行為だ。

かつてゲーデルは“不完全性定理”により次のことを証明した。

「ある理論体系は、自らに矛盾がないことをその理論体系内部においては証明することができない。」

この世界の内部では、理論的に物事を進めて得た結果でさえ、必ずしもそれが最良であるとは限らない。むしろ期待はずれのことも多く、確実に成果へと導くには至らないことしきりだ。

革新的なものは世界の外側から訪れてくる。論理ではなく、むしろ直感的な何かだ。シイタケの調理法を論理的に考えていても、思いつくのはせいぜい過去のレシピの陳腐な組み合わせぐらいのものだろう。シイタケに肉を詰める。こんな革新的な発想をどうにかして恣意的に得ることはできないものか。

という発想のもと、それに類する事象、出来事を書き連ねていくことを目的としてこのブログは立ち上がったというわけだ。分かっていると思うが、半分冗談で半分大真面目である。

 
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プロフィール
HN:
tes626
性別:
男性
自己紹介:
★座右の銘
どんな愚行や自傷行為も、面白ければすべてよし

★本ブログのモチーフ
システムの中にいるものは決してシステムそのものを変革することはできない。システムとは、システムの内外を隔てる境界の存在のことであり、変革とは境界の外から内部を指し示す恣意的行為である。
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